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Binanceの歩み値(逐筆出来高)の見方|大口の赤・緑バーが意味すること

2026-04-23 · 6 分で読了

歩み値は、オーダーブック(板)よりも真実味のある実際の売買記録です。本記事では、売買の方向性や大口注文のインパクトを識別する方法を解説します。

歩み値(逐筆出来高)は、オーダーブック(板)に並んでいる「注文」よりも、実際に成立した「取引」を示すため、より真実に近いデータです。まずは Binance公式サイト にログインしてください。アプリをご利用の方は Binance公式アプリ を使用してください(iOS版は iOSインストールガイド を参照)。

歩み値(逐筆出来高)とは

実際に約定したすべての取引記録のことです:

  • 取引時刻
  • 約定価格
  • 数量
  • 方向(買い または 売り)

Binanceの取引画面の右側または下部に「歩み値(最近の取引)」というタブがあります。

色の意味

  • 緑色: アクティブな買い(買い手が売り板を叩いて約定させた、いわゆる成行買い)
  • 赤色: アクティブな売り(売り手が買い板を叩いて約定させた、いわゆる成行売り)

この「アクティブな方向」が、その瞬間の価格にかかる圧力を決定します。

活用方法

1. 売買比率の確認

短時間(例:1分間)において:

  • 緑(買い)の数 > 赤(売り)の数 = 強気(買い優勢)
  • 赤(売り)の数 > 緑(買い)の数 = 弱気(売り優勢)

2. 大口注文(クジラ)の識別

一般的に 1 BTC(またはそれに相当する高額)以上の約定を「大口注文」と呼びます。

Binanceの歩み値リストでは、大口注文は通常太字で表示されたり、特殊なマークがついたりします。

特定の価格帯で連続して大口の買いが入る → クジラの仕込み(蓄積)。 特定の価格帯で連続して大口の売りが出る → クジラの利確・損切り(放出手)。

3. 価格インパクト(価格の飛び)

大口注文が一気に数段階の板を食いつぶすと、価格が瞬間的に跳ね上がったり(または下がったり)します。

価格が大きく飛ぶ場合は、板の厚み(流動性)が不足していることを意味します。

歩み値とK線の関係

K線(ローソク足)はデータの集約です。1分足のK線は、その1分間に行われたすべての歩み値データを統計化したものです。

短い時間軸のK線(1分足など)ほど、歩み値の動的な動きを色濃く反映します。

歩み値のフィルタリング

Binanceでは「フィルター」機能を提供しています:

  • 大口注文のみを表示
  • 買い(または売り)のみを表示
  • 特定の価格帯のみを表示

これにより、重要なシグナルを素早く特定できます。

歩み値の限界

1. 過去の記録であり未来は予測しない

歩み値は「すでに起きたこと」です。オーダーブックは「これからの意向」です。両方を組み合わせて使うのが最も効果的です。

2. 高頻度取引で見落としが発生する

主要な銘柄では1秒間に数十件の約定が発生します。すべてを目で追うのは現実的ではありません。

3. 大口注文の分割

クジラは「アイスバーグ注文」や「TWAP(時間加重平均価格)」を使って注文を分割します。歩み値に見えるのは、その「断片」に過ぎない場合があります。

実戦での活用例

BTC/USDTの5分間の歩み値を観察:

  • 90% が買い: 短期的な上昇の可能性。
  • 60% が買い + 大口が連続: クジラが個人投資家の買いに合わせている。
  • 50/50 + 出来高が小さい: レンジ相場。
  • 80% が売り + 下落の加速: 投げ売りが発生しており、底が近い可能性。

APIの活用

Binance APIの aggTrades エンドポイントでは、集約された取引履歴を提供しています。1秒間に100件以上のデータを取得可能です。

自動売買(bot)戦略では、これを用いて価格予測モデルを構築します。

売買パワーの比較

Binanceアプリには「売買パワー」指標(パーセンテージバー)が組み込まれています。これは直近数分間のアクティブな売買比率を可視化したものです。

緑バー 70% → 買い圧力が強い。 赤バー 70% → 売り圧力が強い。

ロング・ショート比率との違い

先物ページにある「ロング・ショート比率」とは異なります:

項目 歩み値(出来高) ロング・ショート比率
データ内容 実際の約定記録 市場全体のポジション保有状況
更新頻度 リアルタイム 1分ごとに更新
用途 短期的な方向性 中長期的な市場センチメント

大口の「見せ板」と「誘導」

一部の大口注文は誘導である場合があります。大きな買いを見せて個人投資家の追随を誘い、その直後に裏で売り抜けるケースです。

本物かどうかを判断するポイント:

  • 継続性があるか → 本物の買い。
  • 単発で終わるか → 誘導の可能性。
  • 板の大口注文(指値)と連動しているか → 通常は本物。

よくある質問

Q: 歩み値データをダウンロードできますか? A: ウェブ版ではCSV形式でエクスポート可能です。アプリ版は対応していません。

Q: 歩み値はK線より正確ですか? A: 粒度は細かいですが、ノイズも多いです。用途によります。

Q: 過去の歩み値を遡れますか? A: APIを使えば履歴を遡れます。ウェブ画面では直近のデータのみ表示されます。

Q: 大口注文は誰が出しているのですか? A: 匿名です。Binanceが注文者の正体を公開することはありません。

Q: 買いと売り、どちらを重視すべきですか? A: 長期的には市場は50/50に収束します。短期間に大きくどちらかに偏った場合は、必ず逆方向への修正が入ります。

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歩み値は、市場の「潮の満ち引き」をリアルタイムで感じるためのツールです。慣れてくれば、相場の勢いや転換点をより敏感に察知できるようになります。